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幸せについて本気出して考えてみた

分類:掌編
 
 
 私今とっても幸せ。これというのも彼女のおかげ。

  ◆  ◆  ◆

 元はと言えば、いつものように魔理沙と二人っきりで杯を傾けていた時だったわ。実を言うと、私は余り交友関係が広くない。誰かからの誘いの手は拒まないけど、自分からは進んで他人と交わろうとしない性質。そんな性格では、余程のお節介でもない限り何度も私の元を訪れる者など居ないから。それこそ、その余程である白黒の魔法使いを除いては。そんな訳で数少ない、と言うよりも唯一の心許せる友人である魔理沙と、その日も他愛ない話に花を咲かせていたの。
 魔理沙のあの言葉が出たのは、そんな花が咲き渋り始めた時だったかしら。互いに交わす言葉もなく、無言の沈黙が場を支配した時、彼女が唐突に切り出したの。

「そ、そう言えば知ってたか!? どっかの古道具屋の店主がお前の事気になってたぜ」

 ってね。もう私その言葉を聞いて驚いちゃって。だって、私が香霖堂の店主……霖之助さんの事が気になってたのを、魔理沙に正確に見抜かれてたんですもの。私が香霖堂を訪れた時に、魔理沙と店内で鉢合わせた事が何度かあったから、それででしょうね……自分では上手く隠していたつもりでも、他人から見ればお見通しだったのかしら。それとも『恋色魔法使い』の名は伊達ではない、と言う事かしらね。
 そんな訳で、すっかり気が動転してしまった私は、魔理沙に対してここぞとばかりに霖之助さんの事を聞こうとしたのよ。彼女ならば昔から彼と親しいはずだから、色々と知っていると思ってね。でもその質問攻めが魔理沙には気に入らなかったみたい、彼女は会話の主導権を握りたがるタイプだから。それで、私からその権利を取り戻せないと判ると、足早に帰ってしまったわ。でも帰り掛け、魔理沙が私にくれたアドバイスは、引っ込み思案な私の背を押すのに十分なものだったの。

「そんなに知りたかったら自分で聞きに行くんだな。そうすりゃあいつも喜ぶだろうぜ」


 次の日の朝早く、私は魔理沙の言葉を胸に香霖堂を訪れる決心を固めたわ。自分でもこんなにすぐに行動に移すなんて思っても見なかった、私が碌に計画も立てずに物事を実行するなんて、今までは滅多になかった事だから。これというのも魔理沙のアドバイスのおかげね。
 そして私は香霖堂を訪れて、霖之助さんと様々な言葉を交わしたはずよ。何故自分の行動の筈なのに断定しないのかと言うと……正直あの時の事は良く覚えていないの。慣れない事に気もそぞろだったせいでしょうね。普段冷静を気取ってる癖に、肝心な時には舞い上がってしまうから始末に悪いわ。
 でも、朧気な記憶の中で一つだけ確かなものがある。それは途中で魔理沙が香霖堂へとやって来た事。お節介な彼女の事だから、もしかしたら私が上手くやれてるのかを確認しに来たのかもね。だから私、彼女に言ったの。

「ありがとう魔理沙、貴女のおかげよ」

 って、彼女が安心できるよう精一杯の笑顔で。彼女への心からの感謝と共に。

  ◆  ◆  ◆

 今では私は毎日のように香霖堂へ顔を出す。端から見ればまるで通い妻でしょうね。そんな私にも気にしている事が一つ。他でもない私の親友、魔理沙の事。何故だか最近、魔理沙は私に会おうとしてくれない。私は彼女に伝えたい事が沢山あるのに。今の私があるのは貴女のおかげだって、私今とっても幸せだって……

テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学


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鈴月

Author:鈴月
初めまして、鈴月(すずつき)と申します。最近になって東方に嵌った俄です。
ここではCoolier-クーリエ-東方創想話に投稿した作品のまとめ等を行いたいと思っています。

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何かありましたら上記の連絡先までお願いします。
(○を@に変えて下さい)

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