FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

web拍手

鉄の身体に流れる血潮!悪い奴らは許さない!そうだメタルだ鋼の力!

君がまだ、空を飛ぶことを夢みていた頃……
多くの冒険譚に胸おどらせていた、あの頃……
君の瞳はきっと、空よりも碧かったに違いない。
大人になってしまった君にはもう思い出せない
勇気あふれる物語がここにはある。
欺瞞と虚構の中で時を止めてしまった君に
この熱き冒険を贈ろう。


 と言う訳で、今回は私が参加させて頂いた合同誌『霖色の日記帳2』の各作品感想を書かせて頂こうと思います。
 一応ネタバレはないように気を付けていますが、それでも気になる方もいらっしゃると思うので、以下の方に格納しておきます。
 
 
arkさん 『居心地のいい場所』


 暇というのは、最も時間を無駄にする行為である。しかしその暇を潰そうにも、道具は先日入荷済み、所持した本は読み飽きてしまい、掃除も一週間前にやったばかりであった。そんな霖之助を見かねたのか、天の助けとばかりに丁度良い暇潰しの題材を持ち込んでくる魔理沙。何でも、実験で忙しい自分の代わりに紅魔館へと本を返しに行って欲しいというのだ。その願いに従い、図書館を訪れる霖之助。そこで出会ったのは、自分と同じ匂いのする少女だった。


 「本好きに悪いやつはいない」。その言葉の通りに互いのホームを「何となく良い所だ」と称し合う二人。共通の趣味があるという事は、やはり良いものです。


十四朗さん 『That's sheer insanity!』


 暗い星空の下、ただひたすらに星をその指でなぞり続ける霊夢。そんな彼女の様子を、霖之助はじっと見詰めていた。何故自分はここにいるのだろうと自問自答しながら。やがて霊夢はその瞳に星々を映したまま、霖之助へと一つの問いを投げかける。「自分で自分がわからない」と。


 星には居場所がある、そこに存在すべき居場所が――作中でのこのセリフが示す通り、それらの星のすみかでは生きる理由なんてものを考える必要もなく、楽なのかも知れません。しかし人間は星ではなく、生きる理由を必要とします。自らの命に対する執着が希薄な霊夢が、それでも生きる為の理由を霖之助に求めた際、彼が返した答えが素敵でした。


アイゼンさん 『時も死も錆び付かせるその時まで』


 失ってしまったものは、最早果てしなき時の流れの彼方。取り戻す事など到底叶わず、その喪失の事実は自らを縛り続ける。しかし流れに取り残された今を生きる者だからこそ、執行可能な権利がある。それは、喪失を受けてもなお、それを超えるほどの幸せを求める事が出来る権利だ。森近霖之助のかつてと、これからのお話。


 「十全に生きる」。そのキーワードの元、それぞれの道を生きる者達。それぞれの言い分が重厚な描写を伴って説得力を醸し出す為、霖之助の苦悩と悲しみが充分に伝わってきます。それだけに最後の宣戦布告が、得も言われぬ爽快感を生み出していました。


うぃんぐさん 『月と地上の談話録』


 宇宙より飛来した破片、その正体を知る為に永琳との酒の席を設ける霖之助。地上の民の求める進化は、月の民にはどのように映るのか。相容れぬはずの者達が酒を飲み交わす幻想郷で、霖之助が辿り着いた結論とは。


 話の主軸は二人っきりの酒の席での会話。その会話も、素直に胸の内を明かさない二人が行うとなれば、一筋縄ではいきません。その妙を愉しめる作品でした。しかし、妖艶な笑みを浮かべる永琳は良いものです。


久我拓人さん 『あるばいと輝夜!』


 森近霖之助にはお気に入りの店がある。正確には屋台と言った方が良いだろう。そしてその屋台でアルバイトなんて事をする不思議な少女が一人。その名も蓬莱山輝夜。アルバイトである筈なのに、客である筈の霖之助を振り回しっぱなしなお姫様のお話。


 いきなり個人的好みから語らせて頂くと、この「一人称で無駄に脇道に逸れまくった心情描写を重ねていく」と言う文体が大好きなので、もうそれだけでお腹いっぱいです。それに加えてなんと今回は色気のあるお話にまで仕上がっていて、最早感無量と言うほか有りませんでした。 


jardioさん 『わーくきゃっと・ほりでい』


 日々を働くものにとって何よりも喜ばしいもの。それは自由に羽を伸ばせる休暇に他ならない。そして地底に住む妖怪にとって羽を伸ばすとは、何も遮るものがない地上にまで足を伸ばす事に繋がる。そんな訳でお燐とお空は、地上へと躍り出るのであった。


 働きづめの毎日のせいで、色々と飢えに飢えていたお燐。そのお燐が香霖堂にて、霖之助相手に思う存分やりたい放題する様が、非常に楽しそうでした。どこまでも振り回されポジションが似合う男、霖之助。


鈴月 『Final Count』


 月面軍の大攻勢の前に、苦戦を強いられる幻想郷。その刹那、天空より新たなる機神が舞い降りる! 予期せぬ援軍により、均衡を取り戻したかに見えた戦場で、ついに重力崩壊が始まる……。タイムリミットは残り僅か。霖之助は、そして我らがコウリンドーKSNG(クサナギ)は、この未曽有の危機を打ち砕く事ができるのかっ!?
「砕けっ! コウリンドーKSNG! 今こそ真なる力を解き放て!!」


 ノーコメント。


café au laitさん 『scale and calamity』


 朝も早くから香霖堂を訪れる影が一つ。それはお客ではなかったが、ある意味霖之助にとっては客以上に大事な存在だった。何故ならば、彼女は香霖堂に積もり積もった厄を取り払ってくれるのだから。


 「厄」に対する霖之助の考えは、変わり者と称される彼に相応しいものでした。雛の提案に対して霖之助が返した答えも、何とも彼らしいです。そりゃあ神様も寵愛を授けたくなるものです。


kaiさん 『木春菊に込めた言葉』


 古明地さとりは、日々足繁く香霖堂に通っていた。もちろん、買い物が目的なのではない。そこに居る店主自身が目的なのだ。恋は盲目、今のさとりにとって彼の心こそが何よりも見通したいのに、それがどうしても叶わない。そして悩める少女は、ただ彼と話が出来れば満足する段階から、そろそろ次へと進みたいと考えているのだが……。


 これはもうタイトルが全て。そこに持って行くまでの展開は終始ニヤニヤしっぱなしです。そして霖之助が男前すぎて惚れます。澄ました顔してこういう事が出来るからずるい。


辰田信彦さん 『愛縁機縁』


 爆発――閃光――静寂――そして――アリス宅の一角はかくも無残な姿へと成り果てた。見事なまでの実験失敗である。しかし人は、いつまでも負け続けるようには出来てはいない。立ち上がったアリスが見据えた先にあるのは、ボロボロになった部屋の片付けであった。


 と言う訳で部屋の片付けに奮闘するアリスを、実験失敗の元凶である魔理沙が引っ張ってきた霖之助が手伝うお話です。霖之助を単なる一店主としか見ていなかったアリス。しかし、共に作業を行う内に徐々にその見方が変わってきます。こういった、いわゆる0から1に向かう話はとても頬が緩んできますね。


姫街道さん 『きつねのまくら』


 『虎の威を借る狐』という言葉がある。もし、この狐自体が相当な実力を持っていたとしたら、彼等は虎から何を借りるのだろうか。香霖堂内で静かに繰り広げられる、霖之助と藍の舌戦。金毛九尾の狐は、はたしてどのような威を示すのか。


 この作品のように最初に印象的なキーワードを出し、その言葉を軸に話を展開させ、最終的にそれに集約させるという手法は、読んでいてとても綺麗で、するりと脳内に溶け込んできます。雨音に包まれた香霖堂でのウィットに富んだ会話も、読んでいるこちらをとても楽しませてくれました。あと魔理沙頑張れ。超頑張れ。


機玉さん 『インドアな吸血鬼』


 フランドール・スカーレット。吸血鬼で、高等魔法にも精通しており、科学方面への造詣も深く、そしてどこまでもインドア派。引きこもり研究者体質である彼女が、自らの知識と好奇心を満たしてくれる存在に出会った時、外へと繋がる扉が開く!


 インテリ系という新鮮なキャラ造形のフランドール。そんな彼女が話をぐいぐいと引っ張っていたおかげで、最後までノンストップで読み切る事が出来ました。水を得た魚のように楽しそうに話すフランがとても可愛かったです。

葉巻さん 『わたしの居場所』


 これは、ぬえが地上に出て来てから暫く後の話。彼女の心中が『退屈』の二文字に埋め尽くされ、今まさに彼女の身体中へとゆっくりと毒が回ろうとしていた時のお話。ぬえの平々凡々極まりない退屈な居場所に新たな風を拭き入れたのは、一人の変わり者の道具屋店主。彼は、初対面のぬえに何やら見当定まらぬ忠告を突然放ってくる、よく判らない、まさに正体不明の人物だった。


 命蓮寺内において、何処か独特な立ち位置にいるぬえ。そのぬえにスポットを当てて、彼女が変わろうと奮闘し、皆の輪に入ろうと努力する様子を丁寧に描いた作品です。優しい母親ポジションの白蓮もとても似合っており、こちらの胸も温かくなりました。
 あと、話自体とは直接関係のない感想ですが、東方には付きものの『大人数での宴会』が、本合同誌ではこの作品にしか登場しないのが、いかにも霖之助を主軸に添えたこの本らしいと感じました。


唯さん 『時間と写真』


 ある日、香霖堂に大量に入荷された『インスタントカメラ』。なんでも、これがあれば誰でも気軽に時間を切り取り、保存する事が出来るのだという。時間を操るメイド、十六夜咲夜は果たしてそのカメラに何を思うのか――


 時という人の手にはどうにもならないものを操ってみせる咲夜。その咲夜といえど時間を保存する事までは出来ません。そこで彼女が導き出した結論が、とても『恋する乙女』らしくて良かったです。写真で魂を抜くとうそぶく様子も、その後に彼女が見せたとある反応も、まさしく年相応の少女といった印象でした。


淡色さん 『香霖堂と招き寅』


 霖之助が拾った宝塔。その宝塔の代価に彼が求めたのは、神仏の代理たる存在を労働力として扱う事、だった――そんな訳で香霖堂で働く羽目になった星。彼女の能力のせいか、香霖堂を訪れる客は徐々に増加傾向を見せ始める。しかし繁盛とは裏腹に星の胸中にはある想いが……


 甲斐甲斐しく香霖堂で働く星の姿が、今まで抱いていたうっかりもののイメージをしっかり払拭してくれました。言われてみれば、昔毘沙門天の元で修行を積んでいた筈ですし、こういった雑用はお手の物なのかも知れません。そして最後の霖之助のニヤリとした底意地の悪い笑みと、それに伴う星の反応に、こちらも思わずニヤリとしてしまいました。
 
 

テーマ : 感想
ジャンル : 小説・文学


web拍手

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

鈴月

Author:鈴月
初めまして、鈴月(すずつき)と申します。最近になって東方に嵌った俄です。
ここではCoolier-クーリエ-東方創想話に投稿した作品のまとめ等を行いたいと思っています。

the.bell.moon○gmail.com
何かありましたら上記の連絡先までお願いします。
(○を@に変えて下さい)

Skype ID:suzu_tuki

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
Twitter Updates
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。